若手海外派遣(東京大学・吉住 優憧さん)の報告を掲載しました
SF地震学若手海外派遣 報告書
東京大学 新領域創成科学研究科
吉住 優憧
2025年11月7日から2026年2月4日までの約3か月間、ドイツ・シュトゥットガルトのシュトゥットガルト大学(University of Stuttgart)のInstitute of Navigationに滞在し、研究を行いました。同研究所はGNSS測位や慣性センサー等を用いた移動体の高精度位置推定技術の研究で知られ、GNSS信号の解析およびリモートセンシング分野において豊富な研究実績を有しています。同研究所のThomas Hobiger教授のもとで研究に従事し、関連分野における共同研究を実施しました。
本滞在では、GNSS衛星から送信される測位信号の反射波を解析するGNSS-Reflectometry(GNSS-R)に関する共同研究を行いました。具体的には、GNSS信号の海面反射成分を利用して海表面状態を推定する海洋観測手法について研究を行いました。本研究では、海表面で反射した信号を検出・解析することで、波高・波向・周期などの海象を推定する手法の高度化を目指しました。
滞在中は、関連分野の文献調査に加え、GNSS-Rの研究コミュニティで使用されている解析ソフトウェアの習得や開発環境の構築および改良を行いました。そのうえで、研究向けに公開されている北海沿岸に設置された観測局で取得された実測データを用いて解析を実施し、推定手法の検証と改良を進めました。従来は固定型GNSS観測局での利用を前提として提案されていた手法を、将来的に船舶や無人機などの移動体プラットフォームへ応用することを見据え、移動体上でも適用可能な解析フローへの拡張を検討しました。
本研究成果は国際学会へ投稿しており、発表を予定しています。今後はオンラインで定期的に研究の進捗を共有し、共同研究体制を継続・発展させていく予定です。最後に、このような貴重な機会を賜りましたSF地震学関係者の皆様、事務局の皆様ならびに関係者の皆様に深く御礼申し上げます。
